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  • 執筆者の写真杉山信二

斜面から動いた危険な石積み


ゲリラ豪雨によって斜面が動いた現場です。


石積みは背面からの応力で大きく押されて直立している状態です。




動いた斜面の下には新築の住宅があって危険な状態です。




法肩部の道路にはテンションクラックが確認されました。


現地調査を行った際に周辺状況を確認すると、山側の隣地に降り続いた断続的な降雨が道路を通って大量に流れ込んだことが想定できました。


法肩部に高さのあるアスカーブがあればここまでの動きにはならなかったのかもしれません。




解析の結果、斜面を安定させるにはロックボルト併用の吹付法枠工が必要なのですが、施工時に石積みが崩壊する可能性があるため、先ずモルダム工法で石積みを接着補強することにしました。


石積みの洗浄は危険な作業なので高圧洗浄ではなく、水道水の水圧のみで様子を見ながら行います。




ここまで石積みが押し出された状態ではモルダム工法の効果は施工時の安全のためという程度になります。




しかし、施工時の危険性を考慮すると、石積接着補強の効果は絶大です。




石積みの天端と吹付法枠を一体にできる形での設計及び施工を行いました。


ロックボルトにより抑制した斜面と法枠と石積みまでを一体に出来るからです。


枠内はモルタル吹付の密閉型で雨水の侵入を防ぎます。




天端の法枠の横梁は高さを持たせて道路の雨水が流れ込まないようにしました。





細部の補修と後片付けを行って完成です。



2017年に施工した民間工事の施工例です。

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