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  • 執筆者の写真杉山信二

アーチ状の亀裂について




石積みの亀裂を調査しているとアーチ状に入った亀裂を見かけることが多くあります。

このような状態になっている場合、基礎部の地盤沈下を疑うことが必要です。


上の3枚の写真を繋ぐと亀裂がアーチ状になっていることが分ると思います。丸く半円を描くように亀裂が入っているのですが、丸く見える部分の地盤が沈下するとこの様な亀裂が入ります。


石積みは特に地盤の沈下に対して弱いため、このような亀裂が進行している状態であれば、強制的に地盤を改良するなどの処置が必要となります。


しかしながら、石積み基礎部の地盤改良となると簡単には出来ないのが現状です。


この現場では法尻部の側溝や張りコンクリートを補修して時間が経過しているのですが、その後に進行した形跡がないことなどから沈下は落ち着いた状態だと判断して、モルダム工法で補修することになりました。




モルダムを確実に充填するため割れた部分を広めに除去します。




高圧洗浄を行った後に吸水調整剤を塗布します。





モルダムを極力深い部分から充填して付着面積を稼ぎます。





強力な接着力と圧縮強度のモルダム工法ですが、地盤沈下には勝てないため、あくまでも動きが落ち着いていることが前提の施工となります。






モルダム工法で石積みの沈下は止められませんが、破損した擁壁の強度を上げることは出来るため、更なる動きに対しての抑制方法としては効果的だと思います。

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