目地の隙間が狭い場合に採用する施工方法で不安定な石積みを接着補強しました。
目地の隙間が狭い石積みを補強する際に問題となるのが水抜きで、無理に設置しようとすると大きく積石を削り取らなければならなくなり、写真のような布積みの現場では施工時に壊してしまう可能性も否定できません。
また、水抜きの機能が低下するような施工を行った場合では更に危険な状態になり兼ねません。
この施工方法は水抜きパイプ等を設置せずに石積み本来の水抜き機能を生かしたまま安定させる「ピンポイント接着補強」です。
注入口の「はつり作業」も積石の角部を少しだけ削るものであるため、大きく動いた積石部でも作業は容易です。
この現場では各積石の左下1箇所を注入口としました。
空石積みの場合は内部に植物の根が入り込んでいる場合があるため、通常の下地処理以外にバーナーでの処理も追加して行います。
注入口周辺にモルダムが充填されるように注入作業を行います。
注入口周辺で積石同士を接着することとして「未注入部分を水が抜ける場所」にするのです。
モルダムの高い接着力が可能とする石積みの補強方法です。
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