風化した砂岩の石積補強
- 杉山信二
- 2022年6月30日
- 読了時間: 2分

積石が割れるほどに風化した砂岩の石積擁壁を補強しました。

大きな亀裂があることと風化が顕著なことなどからモルダム工法とモルタル覆工の併用工事です。

モルタル覆工を行うため水抜きは50mmのVP管を使用します。
水抜きパイプの外径が大きくなるため積石を割って背面の裏込め石まで貫通させなければなりません。

VP管の先端は吸い出し防止材を設置して土砂の流出を防止します。

水抜きパイプは2㎡に1ヶ所として千鳥配置としました。

大きく欠けた部分や付着物はピックで除去します。


状態の悪い箇所にモルダムを充填して内部から接着補強します。

モルタル覆工では塗ったモルタルのズレや剥がれを防止するために挿筋を打込むことが必要です。

モルタルの塗り厚さは50mmでは収縮による亀裂が発生しやすいため平均厚さを80mmとしています。
法面で使用するモルタル吹付工も以前は50mm厚が標準でしたが、同じ理由により現在は80mmが標準となっているため準拠した厚さとしています。

風化により浮いた部分は洗浄除去した上で下地処理を行ってモルタルを何層にも塗っていきます。

平均厚さ(80mm)の中間部分(40mm付近)になるようにワイヤメッシュを設置します。



かなり手間はかかるのですが、風化が顕著な砂岩の石積みはこの方法で長期的に安定することが可能となります。
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