砂岩(俗称折尾石)の災害現場です。
風化する砂岩の積石は風化の進行に伴い表面だけでなく合端部分が割れはじめ、次第に強度不足となって積石そのものの重さに耐えられなくなります。
この現場では家屋が沈下したため後打ち施工で鋼管杭を打設した時に石積みにせり出しが見られたと聞きました。
その結果自重崩壊につながったと考えられます。
応急処置(押え盛土)と作業用との兼用で積み上げた大型土のうは200袋に及びました。
石積みの肩付近まで家屋あるので通常であれば家屋は解体しなければならないレベルです。
幸いこの現場の家屋は鋼管杭の上に載った状態であったため解体せずに復旧工事を行うことになりました。
すべり面を想定して法肩部の処置を行いながら慎重に切り下ろします。
隣接する石積みに影響がないように石積みの袖部を補強しながら更に切り下ろします。
残った石積みをモルダム工法で部分的に補強して法面を整形しました。
宅地内に浸透した水を強制的に抜くために深部までの水抜きを設置して法枠で斜面を抑えました。
最低限の予算での復旧工事であったため歪な仕上がりとなりましたが家屋の解体は回避できました。
壊れてしまうと最低限の予算と言っても高額です。
維持管理を行っていれば崩壊していなかったのかも知れません。
2013年施工の民間工事の施工例です。
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