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執筆者の写真杉山信二

石積み災害復旧工事

更新日:2022年2月12日


花崗岩の積石を6.5mまで積み上げた石積みの崩壊現場です。

(HPに採用させて頂いている写真の現場です)




宅地内排水の状態が悪く大雨によって石積みの背面土砂が飽和状態になって崩壊しました。




地質的には堆積岩で谷底平野・山間盆地・河川・海岸平野堆積物の分布する地域となっています。




石積みの目地に隙間がなく、水抜きも殆ど見当たりません。


崩壊した土砂を見ると、非常に粘性が強いものでした。


粘性土は、水は浸透しにくいのですが、一旦浸透してしまうと排出しにくい特性を持ちます。




現場検証では石積みの背面(透水層)まで土粒子が入り込んでいることが確認できました。


梅雨の長雨により飽和状態になった石積み背面の土砂が自立できなくなって石積みに大きな側圧が掛かったことにより崩壊したと推測されます。




一部が崩壊した家屋は解体となりました。




法面整形は残った石積みを大型土のうで抑えながら行います。




上部に家屋があるため、水が抜けていない不安定な土砂の切土は危険なものでした。





間知ブロック積擁壁は高さ5mまでとなるため、この現場では大型ブロックで復旧します。


現在の基準では崩壊した石積みと同じ勾配に施工できないことと、上部に家屋があることなどにより、大型ブロックは前面の土地から立ち上げることになりました。

(写真は調査の結果支持力が足らない状態であったので地盤を改良を行っている状況の写真です)




背面の状態が悪いため地山を補強しながらの施工となります。





大型ブロックを設置した状況です。




地山の状態が悪かったこともあり、再発防止として発生源対策の張りコンクリートを行って完成です。


2013年に施工した民間工事の石積み災害復旧工事の施工例です。







古い石積み擁壁は高い確率で補修が必要な状況となっています。


崩壊した場合にはとても高額な復旧費用が必要となりますので早目の点検や対策をお勧め致します。



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