大きく膨らんで非常に危険な石積みです。
空石積みの場合、石積みの劣化と共に崩壊に至るケースが多く、背面からの応力によって崩壊することは豪雨災害以外では少ないように感じます。
石積みの劣化と地震などの外的要因によって、内部の迫飼石や友飼石などが抜け落ちてしまい、積石が不安定となって崩壊する「自重崩壊」が多いのではないでしょうか。
積石の形状などによってかなり左右されるので一概には言えませんが、胴の短く毛抜き合端のような積石ではこのようになることは珍しくありません。
このままでは非常に危険ですのでモルダム工法で内部から補強します。
モルダム工法は積石と積石を接着補強する工法ですので、このような積石形状でも十分に効果を発揮することが出来ます。
ただし、充填剤の注入量によって施工費は左右されるため場合によっては高額な工事費となることもありますので注意が必要です。
必ずお見積りで詳細をご確認ください。
内部の空洞部にしっかり充填することで一体化した石積みは「もたれ擁壁」として山側に面として全体の荷重が掛かるようになることで安定することが出来ます。
この現場はかなり危険な状態でしたが、しっかり固めることが出来ました。
注入時は無圧注入ですが、注入箇所を変えながら時間差で固めながら注入できるため、このような危険な現場でも安全に施工することが出来た施工例です。
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