「10年ほど前に隣地の方が家屋を建設した際にブロックに亀裂が入り、補修はしたのですが地震等を考えると心配なので見て頂きたい」というご相談案件です。
家屋建設前の宅盤は赤線の位置までだったそうですが、建設業者さんがその土砂を削り取って造成されたとのことでした。
詳細を確認すると、間知ブロック積擁壁と上部のCBブロックは中間部分が沈下した状態となっています。
検証の結果、宅盤を下げた工事の時期にブロックだけではなく間知ブロック積擁壁も動いていたことが分かりました。
変状発生の後と推測されるのですが、隣地の外構工事の段階で住宅メーカーが基礎下部分の土砂の表面にモルタルを塗られています。
(これは表面に出た基礎下の土砂をモルタルで保護したものだと考えられます。)
通常、基礎部は根入れがあるため、その周辺の土圧で抑えられることで安定しするのですが、このように宅盤を切り下げて基礎部を露出させることは非常に危険な行為となります。
ご相談者様には、「施工をされた隣地住民の方(施工はその住宅メーカー)が切り下げてしまったことが原因の変状であるため、元の状態に近くして頂く工事をお願いしてみたら如何でしょうか」と図示して「根巻補強工事」のご提案しました。
その結果の補強工事は次の写真の通りです。
隣地の方のご協力もあり、カーポートの支柱基礎部まで巻き込んだ状態で根巻補強して頂けています。
根巻補強の底盤の位置より深いところまで支柱基礎が入り込んでいるので、それらを一体化できたにより抑止効果はかなり高くなったと言えるでしょう。
当初とは比較にならない程に安全です。
このように隣地の方や住宅メーカーが協力してくれる例は少ないのですが、しっかりと対応してくれた良い例だと思います。
弊社は、このような崖のご相談と対策工事のご提案も常時行っています。
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